未来の脳神経外科医を育てる研修プログラム
Training program
挑戦するすべての若手に成長の機会を

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研修指導責任者・指導者
研修指導責任者:花北 俊哉(教授)
指導医:飯星 智史(教授)、長谷川 洋敬(講師)
花 大洵(講師)、齊藤 徹(助教)
川口 雄生(助教)、中村 翔(助教) -

1.研修内容(スケジュール、経験目標等)
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1. 始めに
埼玉医科大学総合医療センターの初期臨床研修プログラムでは、各プログラムの選択研修期間に選択科目として脳神経外科を4週間以上選択することができます。また必修の「外科」としても、選択が可能です。
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2. 当脳神経外科の診療実績
当科は2023年度の手術件数672件、2024年度の手術件数663件と、日本有数の手術件数を誇る脳神経外科です。科内で専門領域によりセクションを分けておらず、当科をローテートする事で脳腫瘍、脳卒中、血管内治療、下垂体外科、神経外傷外科、脊椎・脊髄外科、小児神経外科など、ほぼ全ての領域の脳神経外科診療に充分に触れる事ができます。医局全体で12名の脳神経外科専門医・指導医を擁し、それぞれが脳卒中専門医、脳卒中の外科技術認定医、血管内治療専門医、神経内視鏡技術認定医、脊髄学会技術認定医、小児神経外科認定医、がん治療認定医などのサブスペシャリティを持ちます。また、専門医取得前の脳神経外科専門修練医9名が在籍します。
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3. 研修方法 / チームで学べ!
脳神経外科では、患者を中心に担当医、上級医、指導医というチームを形成しており、種々のレベルでの指導が行われます。研修医が受け持った患者毎に指導医がつきマンツーマンの教育が行われます。脳神経外科のユニフォームスクラブが貸与され、それを着てチームの一員として勤務していただきます。
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手技を身につけろ!
当科をローテートした場合、基本的に慢性硬膜下血腫等基本的手術の執刀医(術者)を体験していただきます。また開頭手術の助手などにも積極的に入っていただき、脳神経外科チームの一員として手技を身につけていただきます。腰椎穿刺は可能な限りやっていただき、研修医の先生の得意手技の一つとしていただければと思います。
脳神経外科を全く志望していない人でも大歓迎!
当科は脳神経外科を全く志望していない人でも大歓迎であり、オーダーメイドでそれぞれの先生に合った研修を提案します。例えば・・・・
救急志望→脳卒中、外傷、血栓回収など、緊急治療を中心に
小児科志望→小児関係(水頭症や奇形、新生児等)の症例を優先的に割り当て外来研修も
放射線科志望→読影、放射線治療を重点的に
内科・総合診療科志望→外来研修で「初診で危険な脳神経所見を見つける」訓練等
脳神経外科志望→ようこそ!希望次第であらゆる広範な技術と知識の教育を行う
<習得できる技術・知識例>
基本的な外科技術、中枢神経解剖、神経学的病態把握、脳CT・脳MRI読影法、腰椎穿刺、慢性硬膜下血腫等執刀医、基本開頭体験・・・
上記のように、脳神経外科を全く志望していない人でも各人とオーダーメイドで相談しながら、必ず将来役に立つ経験をしていただきます。
アカデミックに触れろ!
当科では臨床研究や基礎研究(ゲノム解析等)を数多く実施しており、日々のカンファレンスを始め抄読会やリサーチカンファ、神経内科との合同カンファなどを通して、医師のアカデミック力の涵養に努めています。興味がある方は研究に参加していただけ、論文に名前が載ります。

よく学び、よく遊べ!
オンではしっかりと働き、オフも大切にする事を良しとします。時間外の呼び出しは希望すれば可能(当直体験なども可能)ですが、義務的な呼び出しはありません。時間外勤務をした場合、当科がちゃんと手当の申請を行います。
女性も大活躍する科です!
当科の6年目専攻医3名中3名が女医です。発展した現代の脳神経外科は、女性にとっても働きやすい職場です。ローテート中に是非、その働きぶりを見てください。

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4. 脳神経外科研修の経験目標・到達目標
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(1)4~8週間で研修可能な項目
A.経験すべき診察法・検査・手技
1)基本的身体診察法
意識レベルとバイタルサインとの把握ができ、記載できる。
自分なりの神経学的診察法を確立し、記載できる.2)基本的な臨床検査
頭蓋単純X線検査の読影ができる.
頭部X線CT検査の読影ができる.
頭部MRIの基礎的な読影ができる.
髄液検査を指示し、結果を解釈できる.3)基本的手技
軽度の頭部外傷の処置を実施できる.
創部消毒とガーゼ交換ができる.
外傷の頭皮縫合ができる.B.経験すべき症状・病態・疾患
1)頻度の高い以下の症状を経験し、鑑別診断を行う.
頭痛
痙攣発作2)緊急を要する以下の病態について初期治療に参加する.
意識障害
脳血管障害3)以下の疾患、病態を経験し、その診断、検査、治療について学ぶ.
クモ膜下出血
脳内出血
脳梗塞 -
(2) 12~16週間で研修可能な項目は1)に加えて
A.経験すべき診察法・検査・手技
1)基本的な臨床検査
頭部MRI検査のやや発展的な読影ができる.
脳血管撮影における基礎的な手技と読影ができる.2)基本的手技
脳室、脳槽、硬膜外ドレーンなどの目的を知り、管理ができる.
腰椎穿刺を実施できる.
気管内挿管を実施できる.
気管切開を実施できる.
慢性硬膜下血腫や水頭症に対し穿頭術を実施できる.
頭蓋形成術や簡単な開頭術、及び血腫除去術を実施できる.B.経験すべき症状・病態・疾患
1)以下の疾患、病態を経験し、その診断、検査、治療について学ぶ.
脳腫瘍
急性期頭部外傷(急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、脳挫傷など)
慢性硬膜下血腫
水頭症
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5. その他
自分なりの神経診察法・神経症候対処法を習得しいつでも実践できる技術や、危険な頭痛を始めとした神経救急症候を見分ける知識はきわめて重要で、将来どの科を専攻しても必要です。当科研修はこうした実践的な知識が身につく研修です。将来的に脳神経外科を志望する研修医は、さらに発展的な内容の研修を行います。脳神経外科診断学の奥深さ、面白さ、そして脳神経外科手術のダイナミックさと繊細さを体験し、その後に長く続く脳神経外科人生の礎となる経験をしていただきます。
当科ではローテーションした研修医全員に右のような研修修了証を授与しています。履歴書やCVにも書ける工夫がされており、当科の初期研修を終え脳外科医となった後もデスクに飾っている先生もいますよ。
2.厚生労働省が定める経験すべき症候、経験すべき疾病・病態
(当科で経験できる症候、疾病、病態)
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経験すべき症候
外来又は病棟において、下記の症候を呈する患者について、病歴、身体所見、簡単な検査所見に基づく臨床推論と、病態を考慮した初期対応を行う。
ショック、体重減少・るい痩、発疹、黄疸、発熱、もの忘れ、頭痛、めまい、意識障害・失神、けいれん発作、視力障害、胸痛、心停止、呼吸困難、吐血・喀血、下血・血便、嘔気・嘔吐、腹痛、便通異常(下痢・便秘)、熱傷・外傷、腰・背部痛、関節痛、運動麻痺・筋力低下、排尿障害(尿失禁・排尿困難)、興奮・せん妄、抑うつ、成長・発達の障害、妊娠・出産、終末期の症候(29症候)
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経験すべき疾病・病態
外来又は病棟において、下記の疾病・病態を有する患者の診療にあたる。
脳血管障害、認知症、急性冠症候群、心不全、大動脈瘤、高血圧、肺癌、肺炎、急性上気道炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性胃腸炎、胃癌、消化性潰瘍、肝炎・肝硬変、胆石症、大腸癌、腎盂腎炎、尿路結石、腎不全、高エネルギー外傷・骨折、糖尿病、脂質異常症、うつ病、統合失調症、依存症(ニコチン・アルコール・薬物・病的賭博)(26疾病・病態)
3.研修に関する連絡先
埼玉医科大学総合医療センター 脳神経外科 花北 俊哉(はなきた しゅんや)
Phone:049-228-3671
E-mail:hanakita@saitama-med.ac.jp
脳神経外科専門研修プログラム
“豊富な症例と確かな指導で、真の臨床力を育む”
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ご挨拶
埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科は、埼玉県を中心に全国から多くの患者さんが集まる中核施設です。
当プログラムは、専門医取得だけにとどまらず、その先のキャリアを切り拓く“真の臨床力”を身につけることを目指しています。
若手でも積極的に執刀機会を得られる環境、チームで学び合う文化、研究や海外留学を支援する体制を整え、皆さんの挑戦を全力でサポートします。
プログラムの魅力 ― 5つの柱
- 全国屈指の豊富な症例数
- 救急から高度専門手術まで、年間650件以上の多彩な症例を経験できます。
- 若手から執刀できる教育方針
- 「見る」だけでなく「実践」する教育。
全国屈指の症例数を背景に、早期から術者として成長できます。 - バランスの取れた手術経験
- 開頭・血管内・内視鏡といった多様な手術モダリティをバランスよく経験できます。
- メジャーなサブスペシャリティをカバー
- 脳血管障害、腫瘍、脊椎脊髄、小児、機能外科まで主要分野を網羅しています。
- ワークライフバランスに配慮
- 不要な拘束を排し、やりがいと働きやすさを両立できる環境を整えています。
- 研究・留学・PhD取得への支援体制
- 学位取得から国内外留学まで、将来のキャリア形成を強力にバックアップします。
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年次ごとの成長イメージ
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1–2年目(卒後3–4年)
救急対応・脳神経外科基本手技および病棟管理の要点を習得していただきます。-
- 穿頭術および基本開頭術の習得
- 頚動脈内膜剥離術、基本的な顕微鏡手術への挑戦(頭蓋内出血など)
- 脳血管撮影、血栓回収療法
- 神経内視鏡手術補助
- 脳卒中や神経外傷への対応
- 症例報告を中心とした学会発表・論文発表
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3年目(卒後5年)
希望に応じ、特色ある連携施設で小児・腫瘍・血管・脊椎・地域医療などを重点研修できます。-
- 基本的な顕微鏡手術(頭蓋内出血など)を習得
- より高度な脳神経外科手術・顕微鏡手術に挑戦(バイパス、クリッピング、浅部脳腫瘍など)
- 頚動脈ステント留置術
- 神経内視鏡手術、脊髄脊椎手術
- 一歩踏み込んだ臨床症例解析
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4–5年目(卒後6–7年)
主要術式を術者として習得、専門医取得を目指します。-
- 高度な脳神経外科手術・顕微鏡手術を習得(バイパス、クリッピング、浅部脳腫瘍など)
- 動脈瘤コイル塞栓術
- 神経内視鏡手術、脊髄脊椎手術
- 専門医試験に向けた論文発表
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5–8年目(卒後7–10年)
それぞれのサブスペシャリティを深めていただきます。希望に応じて学位取得のサポートもいたします。-
- 脳血管障害の二刀流術者
- 頭蓋底外科における開頭+内視鏡の二刀流術者
- 悪性脳腫瘍の臨床+研究
- 脊椎脊髄および末梢神経の外科医
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脳神経外科専門医試験受験資格
- 卒後臨床研修2年の後、研修プログラムで通算4年以上所定の研修が必要
- この間少なくとも3年以上脳神経外科臨床に専従、基幹施設に6か月以上在籍
- 筆頭演者としての全国規模学会での発表2回以上
- 筆頭著者として査読付論文採択受理1編以上(和文英文を問わない)
手術実績
- 全国有数の手術件数(単科での年間手術件数 650件以上)脳血管障害、脳腫瘍、外傷、小児、脊椎脊髄など幅広い領域をカバー顕微鏡、ハイブリッドアンギオ室、内視鏡、外視鏡など多彩な手術モダリティ全国トップクラスの血管内治療件数当科手術実績へ
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研修環境と施設ネットワーク
埼玉県内を中心に、多くの研修施設とネットワークを築いています。
多彩なローテーションで自分の将来像に合わせた研修が可能です。
外勤に関しても全てサポートいたします。
【連携施設】
東松山市民病院、東京警察病院
【関連施設】
【その他協力施設】
ワークライフバランス
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いち脳神経外科医として責任感をもって診療に臨んでいただきますが、一方で不要な拘束はなく、オンとオフを明確に切り替えられる研修環境の提供を心掛けています。
脳神経外科という特性上、ある程度の忙しさは否めません。
しかしながら、心身を整えることで学びが深まるものです。
我々は「忙しいけれど、やりがいと働きやすさを両立できる職場」でありたいと考えています。- 女性医師や子育て世代も安心して働ける体制(産休・育休にも最大限対応)
- 当直翌日は午前中に帰宅を励行
- 休日は当直/待機番以外は完全オフ
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専門医取得後のキャリアパス
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- 当科では臨床と研究の両立を重視しており、大学院進学による学位取得や、国内外の一流施設への留学を強力にサポートします。世界基準の知識と技術を身につけ、脳神経外科の次世代を担うリーダーとして成長していただきます。また、豊富な症例経験と確かな手術技能を活かし、専門医取得後は関連施設で医長・部長として早期から責任あるポジションを担うことが可能です。
臨床現場の中心で、若手を育成する立場としても活躍できます。もちろん、大学・研究機関で基礎研究や臨床研究を推進しつつ、教育者として後進を育てる道も開かれています。学会発表・論文執筆の機会が豊富で、国内外でのアカデミックキャリア形成に直結します。キャリアの選択は一人ひとり異なります。
当科では、指導経験豊富なスタッフと相談しながら、自分に合った進路を一緒に考えていける環境を整えています。
