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包括性と先進性を備えた脳神経外科治療戦略

脳血管センター
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包括性と先進性を備えた脳神経外科治療戦略

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顕微鏡手術について

  • 顕微鏡手術とは

    顕微鏡手術は、手術用の特別な顕微鏡(手術用顕微鏡)を使って行う手術方法です。
    脳や神経、血管のようにとても細かくて大切な部分を、肉眼より何倍も拡大して見ることができます。
    これにより、医師は細かい構造を正確に確認しながら手術を行うことができ、安全性と精密さが高まります

    どんな病気に使うのか

    顕微鏡手術は、脳神経外科で広く行われています。

    1. ・ 脳腫瘍の摘出
    2. ・ 脳動脈瘤の手術(クリッピング術)
    3. ・ 脳動脈バイパス手術
    4. ・ 三叉神経痛や顔面けいれんの手術(微小血管減圧術)
    5. ・ 椎間板ヘルニアや脊椎の手術

    など、さまざまな病気に使われます。

    メリット

    視野が拡大され、細かい部分まで確認できる
    血管や神経など、大切な組織を守りながら手術できる
    正確な操作が可能になり、合併症のリスクを減らせる

    当科の取り組み

    当科では最新の手術用顕微鏡を導入し、高精細な画像を見ながら手術を行う体制を整えています。また、顕微鏡手術と内視鏡手術を症例ごとに使い分け、患者さんに最も適した方法を選択しています。

血管内治療について

  • 血管内治療とは

    血管内治療は、主に次のような脳や脊髄の血管の病気に用いられます。

    1. 脳動脈瘤:コイル塞栓術で動脈瘤の中を詰め、破裂を防ぐ
    2. 頚動脈狭窄症:ステント留置術で血管を広げ、脳梗塞を予防
    3. 脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻:異常な血管を塞ぐ(塞栓術)
    4. 急性期脳梗塞:血栓回収療法で詰まった血管を再開通させる

    メリット

    1. ・ 頭を開けずに治療できる(低侵襲)
    2. ・ 高齢者や合併症のある方にも比較的行いやすい
    3. ・ 緊急時(脳梗塞やくも膜下出血など)にも迅速に対応可能

    ハイブリッド室でのハイブリッド治療

    当科では、ハイブリッド手術室を活用し、血管内治療と外科手術を同じ場所でシームレスに行うことが可能です。

    1. 血管内治療で血流をコントロールしつつ、開頭手術で確実に処置を行う
    2. 手術中に血管造影検査を行い、結果をその場で確認できる
    3. 緊急時にも、最適な治療法をすぐに選択できる

    これにより、従来は段階的に行っていた治療を一度に、安全かつ効率的に行えるようになっています。

    当科の取り組み

    当科では、24時間体制で血管内治療を行える体制を整えています。
    脳動脈瘤や頚動脈狭窄症などの計画的な治療はもちろん、脳梗塞やくも膜下出血といった緊急疾患にも即時対応しています。
    さらに、血管内治療と開頭手術を組み合わせたハイブリッド治療にも対応し、それぞれの長所を活かした最適な治療を患者さんごとに提案しています。

神経内視鏡手術について

  • 内視鏡手術とは

    内視鏡手術は、細いカメラ(内視鏡)を体の中に入れて、モニターで拡大映像を見ながら行う手術方法です。
    小さな切開から手術が可能なため、体への負担が少なく、回復も早いのが特徴です。
    脳神経外科では、部位や病気に応じてさまざまな内視鏡手術を行っています。

    経鼻内視鏡手術

    鼻の穴から内視鏡を入れて、頭を開けずに脳の底にある病変に到達する方法です。
    下垂体腺腫
    頭蓋咽頭腫
    髄膜腫や脊索腫など頭蓋底腫瘍
    に対して多く行われています。鼻から入るため、顔に傷が残らず、美容的にも優れています。

    経脳室内視鏡手術

    脳室(脳の中にある髄液の通り道)に内視鏡を入れて行う手術です。
    脳室内腫瘍の摘出
    脳内出血の血腫除去
    正常圧水頭症や閉塞性水頭症に対する第三脳室底開窓術
    などに用いられます。従来は大きな開頭が必要だった治療も、小さな穴から安全に行えるようになっています。

    低侵襲小開頭手術

    近年では、小さな開頭と内視鏡を組み合わせた低侵襲小開頭手術も行われています。

    1. 従来の開頭手術に比べて傷を小さくできる
    2. 内視鏡で死角を補い、安全に操作できる
    3. 腫瘍の位置や大きさに応じて「顕微鏡手術と内視鏡を組み合わせる」ことも可能

    このように、患者さんの病気や状態に合わせて最適な方法を選択できるのが特徴です。

    当科の取り組み

    当科では、経鼻手術・経脳室手術・低侵襲小開頭手術を症例ごとに柔軟に使い分けています。
    顕微鏡手術や血管内治療と組み合わせることで、「できるだけ体に優しく、かつ確実に」病気を治す戦略をとっています。

外視鏡手術について

  • 外視鏡とは

    外視鏡とは、顕微鏡に代わって手術の視野を高精細カメラで映し出し、大型モニターを見ながら手術を行う装置です
    顕微鏡手術と同じように拡大された鮮明な映像を得られるだけでなく、視野を自由に切り替えたり、
    より自然な姿勢で手術を行えるのが特徴です。

    外視鏡手術の特徴とメリット

    高精細な3D画像

    手術部位を立体的に確認でき、細かい血管や神経も明瞭に見えます。

    快適な手術姿勢

    顕微鏡と違い、術者はモニターを見ながら自然な姿勢で操作できるため、
    長時間の手術でも体への負担が少なくなります。

    チーム全員で同じ映像を共有

    手術室のスタッフ全員が同じ映像を見ながら協力できるため、安全性が高まります。
    研修医や学生にとっても教育効果が大きいです。

    柔軟なアプローチ

    内視鏡との組み合わせや、低侵襲小開頭手術など幅広い術式に応用可能です。

    どんな手術に使われるのか

    1. 脳腫瘍摘出
    2. 脳血管障害(脳動脈瘤クリッピング術など)
    3. 脊椎・脊髄手術

    当科では、顕微鏡・内視鏡と組み合わせ、症例ごとに最適な機器を選択しています。

    当科の取り組み

    当科では、最新の外視鏡を導入し、顕微鏡手術と同等以上の安全性・精密さを確保しつつ、
    術者の負担軽減や教育面の利点を活かしています。
    これにより、顕微鏡・内視鏡・外視鏡を症例に応じて使い分ける、最先端の低侵襲脳神経外科手術を提供しています。

脳神経外科領域の化学療法について

化学療法とは

化学療法とは、抗がん剤を使って脳腫瘍の増殖を抑える治療です。
脳神経外科では、手術や放射線治療と組み合わせて行うことが多く、病気の種類ごとに使う薬が異なります。

主に使われる薬と適応疾患
・ 神経膠腫、膠芽腫など
・ 標準治療薬は「テモゾロミド」で、放射線治療と併用して長期内服します。
・ ベバシズマブという分子標的薬を使うこともあり、腫瘍の栄養血管を抑えることで増殖を防ぎ、さらに腫瘍の周囲のむくみ(脳浮腫)を軽減する効果が期待できます。
これにより頭痛や麻痺などの症状が和らぎ、生活の質が改善することがあります。
・ 中枢神経原発悪性リンパ腫
・ 高用量メトトレキサートを基本とした治療が行われ、リツキシマブという抗体薬が加えられることもあります。
・ 胚細胞腫瘍
・ シスプラチンなどの抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法を行い、放射線治療と併用します。
・ 転移性脳腫瘍
・ 原発がん(肺がん・乳がんなど)の種類に応じて抗がん剤や分子標的薬、免疫療法が用いられます。
化学療法の特徴
  1. ・ 手術で取り切れない腫瘍に対しても効果が期待できる
  2. ・ 放射線治療と組み合わせることで、再発を抑える効果が高まる
  3. ・ ベバシズマブのように「腫瘍そのもの」だけでなく「症状(むくみ)」を改善し、日常生活の質を守ることを目的とした薬もある
副作用について

薬の種類によって異なりますが、

  1. ・ 吐き気や倦怠感
  2. ・ 血液検査での異常(白血球減少など)
  3. ・ 感染症リスクの上昇
  4. ・ ベバシズマブ特有の副作用として、高血圧や血栓、出血傾向があります。

いずれも定期的な検査や投薬管理によって安全性に配慮して行います。

当科の取り組み

当科では、手術・放射線・化学療法を組み合わせた集学的治療を行っています。
さらに、分子標的薬や免疫療法といった新しい薬も取り入れ、放射線科・病理部とも連携したうえで一人ひとりに合わせた最適な治療法を提案しています。

遺伝子パネル検査と分子標的治療について

遺伝子パネル検査とは

がんは「遺伝子の異常」が積み重なって起こる病気です。
遺伝子パネル検査とは、一度に数百種類の遺伝子を調べ、その患者さんのがんにどのような遺伝子の異常があるかを明らかにする検査です。
従来の治療では「病気の種類(脳腫瘍・肺がん・乳がんなど)」に応じて治療を選んでいましたが、この検査を行うことで、
患者さん一人ひとりの腫瘍の特徴に合わせた治療(個別化医療)が可能になります。

分子標的治療とは

遺伝子パネル検査で見つかった異常の中には、それを狙い撃ちする薬(分子標的薬)が存在することがあります。
これを利用するのが分子標的治療です。

  1. ・ 従来の抗がん剤と異なり、「がん細胞だけの弱点」を狙う薬であるため、効果が期待できる場合があります。
  2. ・ すべての患者さんに必ず適応になるわけではなく、一部の遺伝子異常が見つかった方のみが対象となります。

検査から治療までの流れ

  1. 1・ 腫瘍の一部を手術や生検で採取
  2. 2・ 遺伝子パネル検査を実施(解析には数週間かかります)
  3. 3・ 専門家が集まる「エキスパートパネル(専門会議)」で結果を検討
  4. 4・ 治療薬の候補がある場合、保険診療や臨床試験の形で分子標的治療を受けられる可能性があります

注意点

  1. ・ すべての患者さんに「使える薬」が見つかるわけではありません
  2. ・ 保険適応になっていない薬の場合、臨床試験や特別な制度を通じて使用することがあります
  3. ・ 治療効果や副作用は、患者さんの体質や腫瘍の種類によって異なります

当科の取り組み

当科では、脳腫瘍を含むさまざまながんに対して遺伝子パネル検査を積極的に導入しています。
結果に基づき、放射線科・腫瘍内科・病理診断科など多職種で検討し、患者さんにとって最適な治療方針を提案しています。
また、必要に応じて全国規模の臨床試験や最新の治療法につなげる体制も整えています。

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